新型コロナワクチンのこれから

 令和6年も早くも2か月を過ぎようとしています。昨年の今頃はもち投げの準備などに追われていたことを思い出します。自分自身に大きな変化はありませんが、皆が新しい目標に向かって準備中です。すべての受験生や就職活動中の学生さんに桜が開花するように陰ながら祈っております。

 年明け以降、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ感染症(A型、B型)、これ以外の感染症が大流行し当院でも数多くの患者さんを診療しました。国立感染症研究所感染症疫学センター発表のデータによると新型コロナウイルス感染症の新規感染は2024年第5週に定点当たりの感染者数が16.15となり第9波のピーク(2023年8月)を超えていることから第10派到来と考えて良さそうです。ただし2024年第6週には13.75に減少がみられるのでおそらくピークアウトしていると考えます。当院での新型コロナウイルス感染症の患者さんの数も全国での統計同様に2月時点では前月比較でゆるやかな減少傾向にあります。

 厚生労働省が発表した「新型コロナワクチン接種体制確保事業に関する自治体向け説明会」において令和6年度のワクチン接種方針が発表されました。2024年3月まで特例臨時接種が実施されている新型コロナ感染症は4月以降B類疾病に分類されます。B類疾病にはインフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症があり、コロナワクチンはこれらの予防のためのインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなどと同じ扱いになります。B類疾病対象になると主に個人予防に重点が置かれる為ワクチン接種の努力義務はありません。国の積極的な勧奨もなくなります。対象は65歳以上、または60-64歳で基礎疾患をお持ちの方などが対象になります。国立感染症研究所によると現在流行の型はゲノム分析でBA.2系統のJN.1が主流になっていますが現行のXBB.1.5ワクチンでも入院や死亡といった重症化を予防する結果も出されており高齢者や基礎疾患をお持ちの方は接種しておいたほうが良さそうに思われます。

 2021年2月から医療従事者を中心に始まった集団接種もいよいよ終わりを迎えます。大規模集団接種会場で医師会からの派遣医師として問診や接種を行っていたことが昨日のように思い出されます。必要な人に必要な医療(予防接種)をとどけ、そうでない人は今まで通りの感染予防(手洗いなど)が大切であり、個人的にはまだまだマスクは外せないと思う今日この頃です。(院長 牧尾 善幸)

2024年02月25日